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独覚の友人2

(続きです)
モノがモノとしてそのまま見える、なんてすごーい!!

でも、目の前にいる友人は別に、すごくない普通の人だ。
温厚で頭脳明晰な人だけれど、宴会で食べすぎたり飲みすぎたりするし、ウケを狙おうとしてスベったり、会報の締め切りを守れなかったりする、普通のおじさまである。
仏教や瞑想、スピリチュアリティに何の興味もない。
むしろ無神論者やプラグマティストといってもいい。
聖人でも仙人でもない。

「それって努力してできるようになったものじゃないですよね?
遺伝とか…親御さんとか御兄弟で同じように見える人っていらっしゃるんですか?」
「さあ?こんな話、他人としたことありませんからね。しのさんが瞑想の話をしたから思い出しただけで。
だいたいこういう見え方って『欠陥』じゃないですか」
「欠陥?」
「動物としてのヒトは、何を見ても素早く敵かどうか判断して、敵だったら逃げるか戦うか、その判断をしないと生き延びられないから『名前をつける』力を強くしてきたんですよ。
こんな、何の判断もない状態に頻繁になってたら危険でしょ。
だから自分でも、これはバグみたいなものだと思ってます。
見えてもただ面白いだけだし。」

バーナデット・ロバーツの『神はいずこに』でも、突然「自己の消滅」が起きたせいで車をぶつけて廃車にしたエピソードがあったような気がする。
安全についてはお説の通りだが、でもちょっとうらやましいぞ。
私が苦心惨憺、瞑想しても全然匂いも嗅いだことのない境地を、コンビニで買えるアイスぐらいの感覚でちょくちょく味わってる人がいるんですねえ。
「だから、ただ面白いだけですってば」

その後もなぜそういうふうに見えるのか根掘り葉掘り聞いてみた。
「そういえば立体視も得意ですよ。
モザイク状の模様から絵柄が飛び出すやつとかすぐに見えます。
(少しずらして撮った)航空写真が二枚あれば、ビューワーがなくても地形がくっきりと立体に見えます。
あれはね、眼を素直に使うのがコツなんですよ」
「へえー、すごいですねえ。私は全然だめです。生まれてから一度もモザイクから絵柄が見えたためしなんかないし、3D映画を眼鏡かけて見てても、気を抜くと平面になるぐらい……」
「しのさん」
「はい?」
「それはちょっと、我が強すぎますね」
にやりと笑われてしまった。
おっしゃる通りであります。

生きとし生けるものが幸せでありますように。
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コメント

No title

しのさん、ご無沙汰してます。
いつもブログ楽しませてもらってます。

私もこれ、時々あります。

公園で本を読んでいたら字が白と黒の模様になったり、高層ビル上階から景色を眺めていたら街並みと空が「そうでなくなった」り、とか。
あと、木を見ていてなることが多いです。
赤ん坊が見る光景ってこんなんかなーって。

そのご友人と一緒で、サルトルの「嘔吐」を読んだときは、「ああ、あれのことか」と思いました。

誰にでもあるのかと思ってましたが、そうでもないのですね。
でも、憧れるほどのものではないんじゃないでしょうか。

多少面白いけど、特にどうっていうこともないというか。
サルトルのように吐き気までは感じませんが、異様で奇怪な感じが(事後的に)することもあります。
普段のモノの見え方とあまりに違うからかもしれません。

ちなみに立体視は私も得意ですが、関係あるのかな~?
脳内のどっかが緩まるような感触が、似ているような似てないような。

興味深い記事をありがとうございました!
それではまた。

Re: No title

けー様

コメントありがとうございます。
ご無沙汰しております、お元気そうで何よりです。

けーさんもこの感覚、お分かりになるんですね。

> あと、木を見ていてなることが多いです。
友人も同じことを言っていました。

> 誰にでもあるのかと思ってましたが、そうでもないのですね。
> でも、憧れるほどのものではないんじゃないでしょうか。

おっしゃる通りです。
なんによらず、他人の経験をうらやましがるというのは未熟な証拠でございますよ。

しかし、けーさんも立体視がお得意だというし、別の友人にも勧められたので、あきらめていた立体視に再チャレンジしてみることにしました。
そのご報告はまた後日に。

けーさんがお幸せでありますように。

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プロフィール

しの2012

Author:しの2012
女性。
ヴィパッサナー瞑想に取り組んでいます。

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