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『人は死ぬとき何を思うのか』

8月は、やはり死について思う月ですね。

『人は死ぬとき何を思うのか』PHP

人は死ぬとき何を思うのか

アンソロジーで、著者は渡辺和子、大津修一、石飛幸三、青木新門、山折哲雄の5人(掲載順)。
「現代の『生』と『死』を考える12の話」という雑誌のリレー連載を加筆、再編集したものだそうだ。

5人の著者それぞれに深い識見のある人ばかりで、死と生について考えさせられ、気づかされ、何か楽にしてもらえるような文章ばかりである。
それぞれの代表作のいいところどりをして短くまとめた感もあるので、これを手掛かりに読む本を探すのもいいと思う。


その中でも渡辺和子氏の文章が印象に残ったので紹介したい。
渡辺和子氏はノートルダム清心女子大学学長をつとめられた修道女にして教育者。『置かれた場所で咲きなさい』『面倒だから、しよう』など著作多数。

「私の好きな言葉に、『今日が私の一番若い日』というのがあります。
日一日歳をとっていくことを考えれば、これからの人生で今日が一番若い日ということになります。一番若い日だから、若々しく生きたい。今日ある力が、明日もあるとは限らないのですから。
その意味では、死ぬ日でさえ『一番若い日』と考えることができます。死ぬまでの日々が常に『一番若い日』ですから、死ぬ日も当然『一番若い日』になります。死ぬまで毎日、若々しく生きられるわけです。」(p22)

このくだり、自分がもう少し若かったら全く響かなかった。
一年はおろか、一月、いや、もっと短い期間でも自分の身体や精神が老いていくことをつぶさに見ると、「今ここ」で与えられているものを、丁寧に扱いながらも活かしてゆかねばならないと改めて思った。


「私たちの生き方が、そのまま死に方につながる保証は全くありません。生涯を弱者救済にあてられた立派な方が、惨めな最期を遂げた例もあります。」(p25)
しかし、わからないからこそ「ていねい」に生きる、日常生活の中の「嫌なことや面倒くさいこと」をきちんをやるのだと著者は言う。
「はきものを揃える自由」という羽仁もと子氏の言葉を引用しているが、この発想、私にとっては「戒」に非常に似ている気がした。


もう一つ、これも「戒」であると思った一節。
「誰かに嫌なことや悪口を言われたときもそうです。言い返したい、反論したいという思いを我慢して、笑顔を心がける。私はそれを『小さな死』と呼んでいます。自分のありようを絶えず正し、自我を殺す勇気とでも言えばいいでしょうか。」(p27)

生きとし生けるものが幸せでありますように。

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しの2012

Author:しの2012
女性。
ヴィパッサナー瞑想に取り組んでいます。

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